2012年3月11日日曜日

「精神障害理由の入店拒否」の合憲性


「精神障害理由の入店拒否」の合憲性について
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精神障害理由の入店拒否で提訴 「憲法違反」と都内の男性
2012.3.9 14:28 [民事訴訟]

精神障害を理由に入店を拒否したのは違憲、違法として、東京都国分寺市に住む統合失調症の男性(42)が9日、同市内でインターネットカフェを運営する会社と代表者に計200万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。男性の弁護士は、精神障害が理由の入店拒否で提訴するのは初めてのケースと説明している。
訴状によると、男性は2010年1月に近所の店で会員登録。15回程度利用していたが、同年3月23日に店を出て帰宅後、精神障害者保健福祉手帳がないことに気付き、店に電話で問い合わせた。手帳はその後、自分のかばんから見つかったが、翌日以降、入店を拒まれた。店側は「過去に別の障害者による無銭飲食があり、それ以来、障害者の利用は断っている」と説明したという。
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以上、産経ニュースから引用


ざっと論点を確認をば。
(以下、統合失調症の男性を「X」、インターネットカフェ運営会社を「Y」という。)


1. 本事案において、Yはインターネットカフェ利用につき明示又は默示の利用規定で差別的取扱いを定めていることから、当該利用規定が、障害者の平等権を侵害し、憲法14条1項に反するかが問題となる。


2. 憲法14条1項所定の「平等」とは、同一事情・同一条件の下では均等に扱うと共に、合理的な区別は許容するという相対的平等を意味するものと解する。


3. では、本事案の如き差別的取扱いは、合理的な区別として許容されるものであろうか。合理的か否かの判断基準を如何に解するかが問題となる。

違憲審査基準:「障害者」を「社会的身分」と解し、憲法14条1項後段列挙事由に基づく差別的扱いと考え、嚴格審査基準(立法目的が必要不可欠&立法目的達成手段が必要最小限度)を採用。(個人的には、障害者というのは社会的身分に当たると解すべきと考えています。今のところ。)

目的:Yは「過去に別の障害者による無銭飲食があり、それ以来、障害者の利用は断っている」と主張していることから、当該差別的扱いの目的は「円滑な営業活動の確保」と言える。そして、会社にとってかかる目的は正当と言える。
手段:健常者による無銭飲食があったとしても、そのことを理由に「健常者の利用を断る」という手段を採ることは考えられない以上、これと同様に、過去に別の障害者による無銭飲食があったとしても、そのことから全ての障害者の利用を一律に制限することは必要最小限度とは言えない。また、障害者による犯罪が頻発していたとしても、犯罪発生を予防する策を採ることなしに「利用」自体を制限することはやはり必要最小限度とは言えない。ましてや、過去に無銭飲食を犯した障害者というのはYではなく別の障害者であるし、Xは過去15回にわたり利用しており何の問題も引き起こしていない()のだから、言わずもがなである。


4. 以上より、Yによる障害者への差別的扱いは憲法14条に反する。




こんな感じ…ですかね。。
ものすごい適当に書きなぐっただけでスカスカですけど。
細かい論証は全カットです(*'-'*)。面倒くさいです(*'-'*)。(*'-'*)。
その他、もちろん憲法の私人間効力も検討しなきゃならんでしょうし、事案の具体的状況を把握した上で細かく違憲審査基準を定立し、あてはめをしたりしなきゃならんのでしょう。一番面白い規範定立・あてはめ部分が書けないのは残念…(あ、面白いとか言ってスミマセン。)
また、Yに利用規定の策定権があることも一応書いておくべきなのでしょう。


しかしまぁ、Y(インターネットカフェ運営会社)の敗訴が濃厚なのではないでしょうか。
個人的には、「精神障害」という要素をどう判決に反映させていくのか(どの程度反映させていくのか)という部分に興味があります。

今後どうなってゆくのか注目したい裁判です。





それでは皆さん、おやすみなさい。

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