2013年3月5日火曜日

『完全講義 民事裁判実務の基礎―訴訟物・要件事実・事実認定』(大島 眞一、民事法研究会)

要件事実についての必読書

絶対的な必読書。
絶対に読むべき本といえるでしょう。
文字通りの「必読書」です。

要件事実については『新問題研究 要件事実』及び『紛争類型別の要件事実-民事訴訟における攻撃防御の構造-[改訂版]』(ともに法曹会)はもちろん必読なのですが(というか法科大学院の授業で必ず使用するテキストなので司法試験受験生は全員つぶしている本ですよね)、
この本は非常に分かり易く要件事実を独習することができます。

要件事実は、慣れないうちは意味不明でテンパッてしまうかもしれませんが、徐々に慣れてくるので焦らなくても大丈夫です。私自身もそうでした。
当たり前の事ですが、何事も最初は違和感を感じるものです。

しかし、一度慣れてしまえば、もう要件事実無しには民事系の問題分析をすることはできません。頭の中でかってに要件事実論に従った整理が行われてくるはずです。
むしろ、一度慣れてしまうと、「今まで要件事実無しでよく勉強してきたなぁ... なんで大学(学部)の授業では教えてくれなかったのだろう...」という感覚さえ覚えます。
(まぁ、学部で勉強する「法学」は、あくまでも「学問」としてのそれを勉強するものなので、実務上の問題である要件事実論はあまり意識されることなく勉強が進んでいくのでしょう。しかし、いずれ司法試験を受験し、実務家として法律に関わっていくつもりならば、早いうちから要件事実を意識した勉強をすると非常に良いとおもう。)

焦る必要はありませんが、日頃から民法の授業では必ず要件事実の整理を自分なりに行いましょう。必ず。
その際に注意すべきは、必ず【具体的事実で整理する】ということです。抽象的なレベル(抽象度の高いレベル)で整理するだけでなく、それに対応した具体的事実が何なのかを必ず押さえていくことが大切です。まぁ…要件事実というものがそもそも成立要件に該当する具体的事実を指すので当たり前っちゃあ当たり前なんですが。。
ですから、単に債務不履行に基づく損害賠償請求権の請求原因を整理する際には、例えば「履行期を徒過」という抽象度の高いレベルだけで押さえるのではなく、必ず「平成○年○月○日」という具体的事実をピックアップして整理しましょう。

もちろん、具体的事実をピックアップして整理していくのは非常に面倒くさいことなのですが、絶対にやるべきです。
文字通り、要件事実の整理を身に付けることが大切です。
(※難しい要件事実は別にマスターしなくてもいいと思いますが、少なくとも新問題研究に掲載されている類型に関しては100%身に付けておくべきだと思います。)

民事訴訟法では、訴訟物が何かを常に意識するのと同じで、民法でも常に請求原因-認否-抗弁-認否-再抗弁の整理を意識しましょう。


とにもかくにも、本書は必読。
非常にオススメの1冊であります!!!!!_(:3」∠)_

何度でも言いますが、要件事実は慣れたもん勝ちです。
最初は戸惑うことも多いかもしれませんが、いずれ必ず慣れます。大丈夫です。
そのためにも民事系科目では常に要件事実を意識した勉強をすべきです。

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