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2013年4月27日土曜日

『憲法判例 第6版』(戸松 秀典 (著), 初宿 正典 (著) 、有斐閣)





[事実]→[判旨](→[補足意見・意見・反対意見])
の順でまとめられている。
解説は無いが、個人的にはそもそも判例集に解説は不要だと思っている。
判旨には、その結論を導くための規範や考え方が示されているので、それを読めば十分だと思う。学説だけを学びたい場合には芦部先生や4人組、高橋先生の基本書を参照すればいいだけですしね。

[判旨]の整理も分かりやすく、何を論じているのかを明確にしているのが非常に助かる。
例えば、本書274頁に掲載されている薬事法違憲訴訟(最大判昭和50年4月30日民集29巻4号572頁)を見てみると、[判旨]が以下のように大きく5つに区分されています。 
  [1]…職業の自由の規制と規制措置の合憲性判断方法
  [2]…許可制の合憲性判断
  [3]…薬局開設に対する許可制自体は合憲
  [4]…薬事法の規制目的は、消極的・警察的目的
  [5]…立法事実の不存在

こうしたパラグラフ毎のタイトル付けは個人的には非常に嬉しい。
何を論じているのかがパッと見て認識できるし、分かり易い!!!
(※個人的には、論文試験でもこうした構成で答案を書けば非常にわかりやすい親切な答案になると思う。)

ただし、
欲を言えば、もっと[事実]の部分を充実させて欲しかったですね。。
刑事訴訟法の判例集に『判例教材刑事訴訟法 第4版』(三井 誠 (編集) )というものがあるのだが、あれくらいまで事実を掲載してほしいと感じた。

規範をどう導いていくのか、事実をどう認定していくのか、
いわゆる「法律解釈」と「事実認定」の両輪は、判決文においてしっかりと詳細に記述されていますから、論文の答案作成において一番の参考になります。
そういう意味で、本書にもっと[事実]についての記述が増えてくれれば…ということです。



※ちなみに、本書は平成22年(2010年)1月までの判例をカバーしているので、それ以降の重要判例については別途『重要判例解説 (ジュリスト臨時増刊)』等でカバーしておかなければならない点に注意です。

2012年8月2日木曜日

『演習 憲法 新版』(芦部信喜,有斐閣)


芦部先生の『憲法判例を読む』を読んで、一気に芦部先生が好きになったため、勢いで衝動買いした1冊です。

模範答案はありません。
論点つぶし用ですね。

1988年11月10日発行ですから、当然、その後の重要判例は考慮されていません。



まぁ、芦部先生のファンとしては揃えておきたい1冊でしょう。

『憲法判例を読む』(芦部信喜,岩波セミナーブックス)


素晴らしく素晴らしい本です。
必携の一冊です。
『買い』の一冊です。
私のような理解力怠慢な人間でもスラスラと読め、かつ、その内容には光り輝くものがあります( ゚д゚ )b


実際、私は本書によって初めて違憲審査基準の振り分けを把握できました。
特に、《合憲性の推定が働く「合理性の基準」は、合理的関連性の基準であれ実質的関連性の基準であれ、違憲であると主張する側に「合理性がないこと」の主張立証責任が課される》ということを本書で初めて知りました。自分にとっては目からウロコでした。

LRAの基準と実質的関連性の基準とは、その判断に際して行うことはほとんど同じです。
しかし、LRAの基準は規制をしている側(合憲だと主張する側)に主張立証責任があるのに対し、実質的関連性の基準は規制を受けている側(違憲だと主張する側)に主張立証責任があるということです。

私は以前から、LRAの基準と厳格な合理性の基準の使い分けが理解できていませんでした。
審査の内容がほとんど同じなのにどーやって使い分けてるんだろう・・・という疑問があったのです。
しかし、本書によってこの疑問は解決しました。
LRAの基準と厳格な合理性の基準の違いをこれほどまでに明確に説明してくださって本当に有難うございます。ということです。

このあたりを意識できると、答案上で「原告の主張部分で[実質的関連性の基準]を立てる」ということに違和感を感じるようになると思います。実際に、私は、友人がロースクールの期末試験で「原告主張:実質的関連性の基準、被告(国)主張:合理的関連性の基準、私見:LRAの基準」で答案を書いた、というのを聞いた時に違和感を感じました。なぜ原告はわざわざ自分に主張立証責任を課すような基準を採用するのだろう・・・自虐的な何かを秘めているのだろうか・・・等と考え込んでしまいました。

それから、『憲法上の権利の作法』等でドイツ型の審査方式(いわゆる三段階審査)を勉強するに際しても、やはりこれまでの最も基本的な型(芦部説といってもいいかと思います)を踏まえた上で勉強すべきでしょう。
安易に三段階審査等に飛び付かず、先ずは芦部説をキッチリと押さえておく必要があるのではないか、私自身はそう考えています。
とにもかくにも先ずは芦部説を丁寧に丁寧に押さえるべきでしょう。
芦部説を疎かにして、人気があるという理由で安易にドイツ型の三段階審査を学ぶのは危険だと思います。


まぁ・・・わかりませんけど(笑)



いずれにせよ、本書は非常にオススメの1冊であり、必読書だと思います。
絶対に読みましょう。
一日で読めますから、絶対に読みましょう。

2012年1月17日火曜日

『憲法 第五版』(芦部 信喜,高橋 和之,岩波書店)


『「憲法上の権利」の作法』(小山 剛,尚学社)


とりあえず1周しました。

理解力皆無の私にとっては難しかったです。
特に、後半の[C 司法的救済の諸問題]はまだ身に付いていないです。
なんかフワフワした感じで落ち着いて理解できていません。

ただ、前半の三段階審査と制度準拠審査は非常にわかりやすく、かつ「使える」視点だと感じました。楽しかった。

ここで疑問に思ったのですが、三段階審査の手法と芦部先生方が云われる違憲審査基準の定立するという手法とは、両立しないものなんですか???

三段階審査で行うように、①「当該権利が憲法上保護されたものなのかどうかのCheck」→②「その権利が『制限』されているのかどうかのCheck」→③「その制限が許されるものなのかどうかのCheck」をした上で、④「キッチリと違憲審査基準を設定して」、⑤「事案に即した具体的検討(あてはめ)を行う」という手順はダメなのでしょうか???

確か・・・高橋和之先生が「ドイツの三段階審査は『裸の利益衡量』である」というようなことをおっしゃっていたと思うのですが、三段階審査の手順を踏んだ上で違憲審査基準の定立をしてあてはめて結論を導いてはいけないのでしょうか。。
この高橋和之先生の一言が気になって気になって仕方がありません。。

三段階審査ってのは必ず「裸の利益衡量」しかしないものなんですか??

ただ、この『作法本』では、判例の違憲審査基準を丁寧に分析されているんです。
と、いうことは、やはり三段階審査の手法と違憲審査基準とは両立するものなんじゃないのかなぁ~・・・なんて(´・ω・`)



う~ん・・・わからないや(´・ω・`)
誰か教えてくださいませ。。(´・ω・`)



【追記】
芦部先生の二重の基準論と三段階審査の関係については、木村草太先生の『憲法の急所』の8頁に書かれていますので、参考になると思います。

そこではこのように書かれています。
 芦部理論は、防御権の制約の正当化に関する論証を精密化し、場当たり的な比較衡量をしてきた憲法判例の記述を飛躍的に発展させた。しかし、その理論には、次のような問題があったように思われる。

 第一に、芦部理論は、防御権の制約が認定された後の処理方法を体系化したにすぎず、そもそもどのような場合に防御権の制約が認定できるのか、という問題について十分な体系を提供できなかった。
 (略)
 芦部理論のこのような問題を踏まえ、近時有力になりつつあるのが、「三段階審査論」である。これは、ドイツの判例・学説を参考にしつつ、体系化されたものである。
 この理論は、まず、①当該行為が憲法上保護されているかを審査し(保護範囲又は保護領域の画定)、②それが国家によって制約されているか否かを審査し(介入又は侵害の有無の審査)、③制約が認められる場合には、それを正当化する事情があるか否かを審査する(正当化の可否の審査)、という三段階で審査するというものである。
 (略)
 この理論によれば、権利制約の有無がきちんと審査されることになるので、芦部理論の第一の問題は解消する。

なるほどねぇ~~~と思わず深く頷いてしまいました。
そしてこの記述に続き、木村草太先生は、三段階審査を踏まえた上で違憲審査基準を分析(再構成)しておられます。

と、いうことは、三段階審査の思考順序+正当化の可否の審査のところで違憲審査基準を定立してあてはめを行えばOKってことですかね。
私、なんだか【三段階審査】という言葉に振り回されていただけなのかもしれません。



いやはや・・・非常に面白いです。
(※ただ、木村草太先生は「厳格な合理性の基準」について「違憲の推定」が働くとしておられる点で芦部先生の理解とはズレが生じていますね。)