11分野、45の個別法を基本構造から解説!!
これに対し、他の科目(基本6法)では、法律の基本構造をしっかりと学んだ上で、そこで用いられている(採用されている)基本原理・原則・概念を学びます。
行政法は、「行政法」という法律が存在するわけではないので、どうしても抽象的な概念の勉強が先行してしまうのかもしれません。大学の授業においても、わざわざ各個別法の基本構造をキッチリと学ぶことはあまり無いのかもしれません。当然、時間の関係上、各個別法をいちいち掘り下げていく余裕が無いのかもしれません。
しかし、いわゆる「仕組み解釈」をする上でも、各個別法の基本構造を把握しておくことは非常に重要で、多くの司法試験受験生も、論文の過去問や問題集・演習書をつぶしていく過程で自ずと各個別法の基本構造を把握していくことになると思います。
実際に、皆様方も「都市計画法」や「生活保護法」等の基本構造はある程度しっかりと把握されていると思います。
このような各個別法の基本構造は、条文を一つ一つ読みながら、自分の手を動かして紙の上にフローチャート図を書いていくのが最も理想的だと思います。
実際に自分の頭と手を使ってフローチャート図を作り、それを自分の目で見て再確認し、できることならフローチャート図にしたがった流れを音読して耳からもインプットするのが当然ながら効果的なわけです。
そして、このフローチャート図を自作する上で、本書は非常に良い参考図書(←あえて「参考図書」と表現。)になるかと思います。
本書では、各個別法の基本構造を明らかにした上で、その構造において用いられている(採用されている)基本概念を判例とともに押さえていく、というアプローチをとっているからです。
このような、『各個別法の基本構造を先ず明らかにして把握し、その基本構造内で用いられている(採用されている)行政法の基本概念や原理・原則を確認していく』というアプローチを採用した行政法書籍は他にあまりないのではないでしょうか。
私自身は、問題集とか判例ででてきた個別法を本書で探して、載っていたらその都度その個別法の基本構造をチェックする、ついでに関連判例もチェックする、という使い方をしています。
通読する気は一切無いですね。うん。100%無い。
ただ、本書において一つ残念なのは、
基本構造を示すフローチャート図が、掲載されている個別法の一部においてしか載っていない、網羅されていないという点ですね。
まぁ...フローチャート図くらいは自分の手で作りましょうよ。ねぇ。うん。
そうしましょう。
自分で作ったイメージ図ほど効果的なものはないですからね。
論文でもそうですけど、やっぱり最終的には自分の手を動かすことが大事なんですよね。うん。書くしかないですよ。やっぱり。
本書のコンセプトに興味が出たら、一度は本屋でパラパラっと立ち読みしてみることをオススメします。
以下、本書の基本構成です。11分野 45の個別法。
第1章 行政組織法・手続法 第2章 地方自治法
①内閣法・国家行政組織法 ④地方自治法
②独立行政法人通則法 ⑤地方公務員法・国家公務員法
③行政手続法 ⑥地方財政法
第3章 行政情報法 第4章 財政・租税法
⑦行政機関情報公開法 ⑩会計法
⑧行政機関個人情報保護法 ⑪固有財産法
⑨住民基本台帳法 ⑫国税通則法・国税徴収法・国税犯則取締法
⑬所得税法
第5章 警察法 第6章 営業・事業規制法
⑭警察法・警職法 ⑲公衆浴場法
⑮道路交通法 ⑳旅館業法
⑯風俗営業法 ㉑宅建業法
⑰食品衛生法 ㉒道路運送法
⑱出入国管理法 ㉓原子炉等規制法
第7章 国土整備法 第8章 環境法
㉔河川法・道路法 ㉙アセス法(環境影響評価法)
㉕土地収用法 ㉚水質汚濁防止法
㉖都市計画法 ㉛土壌汚染対策法
㉗建築基準法 ㉜廃棄物処理法
㉘土地区画整理法・都市再開発法 ㉝自然公園法
第9章 教育・文化法 第10章 社会保障・医事法
㉞学校教育法 ㊲生活保護法
㉟地方教育行政法 ㊳児童福祉法
㊱文化財保護法 ㊴健康保険法
㊵国民年金法
㊶医療法・医師法
㊷薬事法
第11章 条例
㊸青少年保護条例
㊹まちづくり条例
㊺公の施設条例
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