2013年3月13日水曜日
『新司法試験論文過去問答案パーフェクトぶんせき本』(辰已法律研究所)
『新司法試験論文過去問答案パーフェクトぶんせき本』。
合格者の再現答案を素材に、司法試験の論文式試験を分析したもの。
司法試験合格のための必携本(だと個人的には確信している)。
上位合格者答案こそが、日常の勉強における一つの目標地点となります。
もちろん、上位合格者答案であっても、論証が不十分であったり、あてはめが不十分であったりしています。
したがって、自学習においてこの合格者答案を読み込む際には、きっちりと論証を組立て、適切妥当なあてはめを行うことはしておくべきでしょう。
※出題趣旨や採点実感で何度も何度も言われている通り、答案には①法律解釈と②事実認定の両方を示さなければならず、採点官はこのことを「車の両輪」と評しています。
事実認定については、問題文との関係でアドホックに事実抽出とその事実の評価を行なっていくため、事前の準備としてできることはある程度限られていますが、法律解釈の部分(すなわち論証部分)に関しては事前の準備をすることができるわけですから、存分に、万全に、完璧に暗記しておけばそれで宜しいかと思われます。
ちなみに、事実認定についても、典型的な事実認定手法(ex. 刑法における「故意」の認定や「共謀」の認定などなど)は事前に暗記しておくことが必須です。
→『刑事事実認定重要判決50選 補訂版 上巻』(小林 充, 植村 立郎、立花書房)などなど。
また、民事系における「要件事実」も、結局は問題文中から意味のある適切な事実を抽出するための道具として使えるので、そういう意味でも要件事実の知識も必須の暗記対象といえるのでしょうね。
→『完全講義 民事裁判実務の基礎―訴訟物・要件事実・事実認定』(大島 眞一、民事法研究会)などなど。
さて、話が逸れましたが、上位合格者答案を読み込むにあたって最高に注目すべき部分は「論証」部分ではありません。
合格者答案で最も注目すべき部分は、「答案の構成」、「論述の流れ」といった部分であろうと思います。
合格者答案を読めばわかりますが、上位合格者の書く答案は非常に簡潔で分かり易いものとなっています。メリハリが効いていて、一読了解の文章で書かれています。
この部分こそを最大限に参考にすべきなのだと思います。
読んでいて、
「あれ!??これくらいの記述で合格しちゃうの!??しかも上位で!!??
えぇ……Σ(゚◇゚;)マジデッ!?」という感想を思わず抱いてしまうような答案こそが、まさに「上位合格者答案」なのだと思います。
ロースクールの定期試験と違って、司法試験の採点官は、じっくりコトコト煮こんだような採点をしてはくれないでしょう。なにせ採点官1人で5,000人分の答案を読んだりするわけですからね。。(_´Д`)ノ~~オツカレ-ッス
とすれば当然、「んん!??この受験生はこういうことを言いたいのかな??それともこういう解釈をしたいのかな??」なんてお人好しでSweetな採点・読み込みなんてしてはくれないと覚悟しておくべきでしょう。
受験生としては、文字通り、「一読了解」の答案を制限時間内にきっちりと書き切る訓練をし続けておかなければなりません。
そう。。「一読了解」の文章をね。。(灬ºωº灬)
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