2013年1月16日水曜日

判決書(民訴と刑訴の比較)

刑訴→判決言渡し時点で判決書の「原本」が完成していなくともよい。
民訴→判決言渡し時点で判決書の「原本」が完成していなくてはならない(民訴252条)。

この違いを単なる暗記で済ませてはいけない。
何故刑訴と民訴とで差があるのだろう…この違いが生じる理由、それを明確に意識しておくべきであろう。

刑訴の場合に、民訴と同じく判決言渡し時点で原本の完成を要求してしまうとどうなるのか。
判決書は間違いがないよう慎重に慎重に作成される。したがって、原本完成には時間がかかる。
その原本の完成を待つということは、それはすなわち被告人に不当な身柄拘束を強いることになるということである。
よって、刑訴では判決言渡し時点で原本の完成を要求しない。


民訴の場合はどうか。
仮に刑訴と同じく民訴でも判決言渡し時点で原本の完成を要求しないとするとどうなるのか。
民訴における判決書は、強制執行する際の「債務名義」という重要な役割を担っている。
訴訟で勝った当事者は、判決が出たらすぐに民事執行手続きをしたいところだが、判決言渡し時点で原本が完成せしていないと、判決言渡しと強制執行手続きが分断されてしまい、スムースに権利確定が進まないことになってしまう。
よって、民訴では判決言渡し時点で原本の完成を要求する。


このように、刑訴・民訴のそれぞれの役割や全体像を意識できれば、単なる知識として丸暗記する必要はないわけであり、これは結局のところ、非常に効率的なわけである。


うん。
これ全部今日の授業で先生が言ってたことなんだけどね。






今日の夕ごはんは「そば」と「カレー」でした。
それでは皆さん、おやすみなさい。

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