2012年1月18日水曜日

『法解釈の正解』第1章〜第3章  法曹とは何哉。



なんとか今日中に(18日中に)更新できそうだ。。
                  記事を書いてる最中に日付が変わってしまっていたよ...

現在読んでいる書籍(『法解釈の正解』田村智明)の中にこういった趣旨のことが書かれていた。(まだ半分しか読んでないけど...)

「法曹とは、自己の信ずる正義を、法を解釈することによって実現する者である。」

これってもの凄く大事なことだよね。
急に「正義」なんて言われるとついつい青臭さみたいなものやサンデル教授の影響みたいなものを感じて直ぐに拒絶反応が出てしまう自分なんだが(自分はおそらくかなりの天邪鬼、へそ曲がりなんだと思う...)、これには本当に感銘した。

法曹、つまり法の解釈者は、自己が信ずる「正義」を実現する手段として、法を解釈・適用していく。
そして、「正義」に合致した法解釈こそが、まさに、法解釈の正解なのである、と。

んじゃあその「正義」ってなんだよ!解釈者によって正義が異なるなら法解釈も異なるんだから正解なんて無いだろ!! なーんて思ってしまった方にこそ、是非この本を読んでいただきたい。

正義に合致した法解釈。
ここで注意すべきは、ここで言う「正義」には2つの側面があるということ。
1つは、解釈対象である「法」にふくまれる正義。
もう1つは、解釈者自身の中にある正義。

では、法に含まれる正義とは何なのか。それはまさしく、「法の趣旨」である。究極的には、「法の支配の趣旨(本質)」と表現することができよう。

よって、〈形式的には〉、法の趣旨に合致した解釈が「正解」となる。先ずこれが1点目。

次に、解釈者自身の中にある正義とは、簡単にいえばその人の持つ価値観のこと。
したがって、〈実質的には〉、解釈者自身の価値観に合致した解釈をすることが「正解」となる。これが2点目。

この2つがそろって(真の)正しい法解釈を行ったと言える。

ここで、民法の危険負担が問題となる典型的な場面を具体例として「正しい法解釈」を行なってみると......
① まず、法(制度)の趣旨(危険負担の趣旨)を考える
危険負担の趣旨は「公平(性)」(もうちょい詳しく言えば「損害の公平な負担」)といえるだろう。
帰責性が認められない以上、債権の片方が消滅したんだからもう片方も消滅させるのが「公平」。だから危険負担の原則は536条。よって534条は例外規定。
んじゃあその534条の趣旨、例外を認める理由って何なのかと云えば、「所有者は利益と共に損失も負担すべき」とか「所有者なんだからその所有物の滅失について責任を追うのは妥当だろう」という点にある。

② 次に、自分の正義(価値観)に合致したアプローチ(学説)を選択する
つまり、534条の趣旨である「所有者が負担するのが公平」という結論に至る道筋を、解釈者である自分の価値観を基準にして選択するということ。
したがって、「意思表示した時点で所有権は移転するんだから、その時点から買主は危険を負担すべきで、そう考えるのが『公平』なんだ!!」という価値観の持ち主は、意思表示した時点以降なら534条を適用して買主に責任を負わせるというアプローチ(いわゆる非制限説)を選択することになる。
一方で、「いやいやいや...ちょっと待ってよ... 意思表示したって、実際に代金を払ったり引渡しを受けたりしていなきゃ結局のところ買主は目的物を自由に利用(収益・処分)することができないじゃんか... だったら代金支払いとか引渡しが完了するまでに生じた危険を買主に負担させるのは『公平』じゃないだろ... 実際に買主が目的物を自由に扱えるようになった時点以降から危険負担の責任を負わせようよ」という価値観の持ち主は、制限説というアプローチを選択する。

どちらも最終的な目標地点は《危険負担の趣旨=損害の公平な負担》にある。
でも、そのゴールに到達するための道筋、アプローチが異なる。

この点、危険負担の趣旨に反するような結論を導くことは、「間違い」となる。
ここは解釈者の正義(価値観)うんぬんの問題じゃない。この部分(①の部分)に多様性は無い。客観的に、正解か間違いかが決まる。

他方、危険負担のの趣旨を達成するための道筋には多様性がある。ここ(②の部分)に解釈者の正義(価値観)が現れることになる。


※勿論、試験対策上、あるいは実務家として依頼者の要望に応えるために、②を柔軟に変更することは有り得る。
 注意しなければならないのは、①の部分は固定されるということ。どんなに解釈者の正義(価値観)に合致していようとも、法の趣旨に反した解釈は『間違い』となる。これは法曹が行うこととしては決して許されない。個人的な、自らの利益になるだけの思想を正義として語ってはならない。

興味がある人は是非読んでいただきたい本であります。
非常に分かりやすく、面白い本であります。



今日は憲法9条についての疑問点も記事にしようと思っていたのだが...今日は断念します。。1日分の文字量が多くなりすぎるしね。。まぁ、ぶっちゃけメンドクサイだけなんだけどね。。ここまで書いてもう疲れちゃった・・・

というか普段pcとか使わないから文字入力が遅いのなんのって!!!タイピングミスしまくりだし。。キツい。。目もチッカチカするし。。
けど、「blogに記録してるんだしもっと勉強やんなきゃ!!」って気持ちにさせてくれているので(今のところは)なかなかに良き感覚を得ております。

【Study Log】
■司法試験対策(7:50)
□民法『民事法Ⅰ』、肢別本
□刑法『事例から刑法を考える』
□その他

■読書(2:10)
□『犯罪と刑罰』
□『法解釈の正解』

【Training Log】
□クランチ(10回×2セット)
□腹筋ローラー(20回×2セット)
□プッシュアップ(20回×3セット)
・・・今日はランニングはサボりました。サボりましたよ。


以下のような感じでamazonのアフィリエイトを貼り付けておけば分かりやすく書籍紹介できそうな感じですかね??

あと、アフィリエイトで書籍紹介しといてなんですけど...

買わないでイイですよ?? 図書館で借りればイイです。 わざわざお金出して買わなくても。
特にハードカバー本の場合はお値段がおやさしくないしね。文庫本なら買っちゃいますけど。

利用しといてなんですが、正直、ぼくはアフィリエイトから購入するのってなんか嫌。amazonで買うにしても自分で検索しなおしてから買うしね。。なんか俺めちゃくちゃ性格悪いですね。。すいません。

脳内の友人に「ブログ内で写真付きで商品紹介したいんだけどどうしたら良いですかね?」って聞いたら、グーグル先生が「そんじゃamazonアフィリエイトでイインジャナイ??とりあえずこのページ見てみなよ」って言われたのでamazonアフィリエイトで紹介しました。それだけのことです。


ま、図書館で借りて一度読んでみて、気に入ったら、or 手元に置いておきたいと思ったら買えばイイと思います。

『法解釈の正解』田村智明
※ amazonレビューのなかで☆2の方のレビューがありますが、このレビューには正直、というか全く同意できません。。本書の前半分でも読んでいれば、このようなレビューが正しくないことが分かると思います。
この方は本当に本書を読まれたのでしょうか??
う〜ん・・・amazonレビューの有用性と危険性について考えさせられますね。。


私の読解が間違っている場合も多分にありますので、気付かれた方は、お手数ですがコメントをお願い致します。








それでは皆さん、おやすみなさい。

0 件のコメント:

コメントを投稿